完成させない、というデザイン。
空間をつくり込みすぎると、使い方まで決まってしまう。
だから、最初からすべてを完成させない。
必要なものを見極め、つくらなくてもよいものはつくらない。
新しく覆い隠すのではなく、そこにある素材や、これまで刻まれてきた時間をできるだけ残す。
木、鉄、コンクリート。
傷がつき、色が変わり、触れるほどに表情を深めていく素材を選ぶ。下地もきれいに仕上げ切らず、そのままの姿を空間の一部として受け入れる。
傷や使い跡も、消すべきものではない。
そこに人がいたこと、ものが置かれていたこと、時間が流れてきたこと。その痕跡を次の風景へつないでいく。
自転車が並び、人が集まり、日々の時間が重なる。
新しい傷や色の変化が加わるたびに、空間は少しずつこの場所らしい表情へと育っていく。
完成は、工事が終わる日ではない。
使う人の工夫や時間が加わり、その日から空間が育ちはじめる。
つくることだけが、デザインではない。
あえてつくらず、決めすぎず、これからの変化を受け止める余白を残す。
BICI AMORE広島は、完成した空間ではなく、人と自転車、素材と時間がともに成長していく場所。
種別:店舗デザイン・施工
所在地:広島市東区
設計・施工:MORIYASU DESIGN
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